アレルギー性鼻炎の新しい治療

 重症のスギ花粉症に対し、アレルギー性炎症を引きおこすIgE抗体の働きをブロックする治療が可能になりました。今まで受けてきた既存の治療で効果が不十分だった方はご相談ください。

舌下免疫療法について

 スギ花粉症は1960年ごろから徐々に増え、現在日本人の4人に1人は花粉症であるといわれています。また、ダニによるアレルギー性鼻炎も年々増加し、低年齢化しています。
 当院では、スギ花粉症、ダニアレルギー性鼻炎の治療のひとつとして、アレルゲン舌下免疫療法を行っています。治療薬を舌の下に投与する治療法で、1回目のみ副作用の観察のため院内で行いますが、2回目以降はご自宅で行えます。
 治療期間は3年以上と少し長いですが、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる効果が期待できます。

 スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、花粉の飛散している時期(2~5月)に開始することはできません。なので、花粉シーズンが始まる前に治療を開始することをおすすめします。
 お悩みの方はご相談ください。

めまいについて

 めまいには、グルグル回るものからフワフワふらつくものなど様々なタイプがあり、またその原因もいろいろです。脳の病気や内科的疾患から起きるめまいがある一方で、耳の病気がめまいを起こすことも少なくありません。
 耳の中には、三半規管、前庭といった、体のバランスを調節する機能を持つ部分があります。何らかの原因でこの部分が異常をきたすと、バランスの異常がおき、めまいが生じます。 当院では、赤外線CCDカメラを用いた眼振検査、重心動揺計も使用した平衡機能検査などを行い、めまいの原因や治療法を探します。耳鼻咽喉科、脳神経内科の両面から専門的な診察を行えますので、お悩みの方はご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について

 睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が止まる、または浅く・弱くなり、それによって日常生活にさまざまな障害を引き起こす疾患です。
 SASの人は睡眠中に頻繁に血液中の酸素濃度低下、中途覚醒が生じるため、睡眠が不充分となり、日中の眠気、集中力の低下をきたしやすいです。また、高血圧、夜間心臓突然死、脳卒中・脳梗塞等のリスクが高いこともわかっています。
 これら合併症を低らすために、SASの適切な診断と、継続的な治療が重要です。当院では自宅で計測できる簡易型睡眠時無呼吸検査と、一定以上重症の方に対してCPAP療法を行っています。
 いびきがひどい方はSASの可能性がありますのでご相談ください。

副鼻腔炎

 副鼻腔炎は、ほほの奥や両目の間にある副鼻腔に炎症が生じる病気で、鼻水、鼻づまり、嗅覚障害などを起こします。原因は感染やアレルギーで、喘息に合併することもあります。長引く副鼻腔炎にはしばしばが鼻茸(ポリープ)が合併し、鼻づまりが治りにくい原因となります。

 治療には飲み薬や副鼻腔洗浄、手術などがあります。鼻茸を伴う殊な種類の副鼻腔炎では、生物学的製剤と呼ばれる新しい薬の注射が有効な場合があります。 お鼻の症状でお困りの方はご相談ください。

中耳炎

 鼓膜の奥の中耳で炎症を起こしたものが中耳炎です。最も多いのは鼻の細菌やウィルスが鼻の奥から中耳に入り、痛みを起こす急性中耳炎です。

 急性中耳炎は主にお薬で治療しますが、重症な場合は鼓膜切開をしてたまっている膿を出します。急性中耳炎の後などに中耳に液が残り、聞こえが悪くなる滲出性中耳炎があります。子供は順応性が高いため、聞こえの悪さに気づかないことがあり注意が必要です。

 滲出性中耳炎では、検査で聴力や鼓膜の動きを調べたり、鼻から耳に空気を送る耳管通気処置、また必要に応じて鼓膜切開や鼓膜チューブ留置術を行います。ご自宅で耳管通気ができる器具のご紹介もしています。

 急性中耳炎や滲出性中耳炎は長引くと慢性中耳炎に移行し、治療が長引いて最終的に手術が必要になることもあります。耳に異常を感じたらご相談ください。